認知症のある人が拒薬する時に、薬を食事に混ぜるのはNG!
患者さんに必要な服薬を拒否されることは、看護師にとっては大きな負担になります。毎回のことなので、つらい気持ちにもなります。
しかし、飲まなければいけない薬だからといって、食事に混ぜて薬を服用させるのは避けましょう。
どんなに大切な薬だとしても、それを飲ませるために、味や食感を損ねて「食事の楽しみ」を犠牲にしたり、「信頼関係」を犠牲にするのは、代償が大きすぎます。患者さん本人に相談もせず、黙って薬を食事に混ぜたりするのは看護上の禁忌といえます。
苦い薬も食べ物と一緒であればのめるのではないかと思ったら、そのことを患者さんと相談してみましょう。まず、薬を飲みやすくするのにいろいろ工夫していることを患者さん本人が理解しているかどうか確認します。その上で、食事と分けて、味の変わりにくい嚥下しやすいものに混ぜて進めてみるのはよいと考えます。
特に忘れっぽい患者さんの場合には、その都度説明して理解を求め、できるだけ患者さん自身で混ぜてもらうようにします。
ゆとりをもって関われないと混ぜてしまおうと考えてしまいがちなので、チームでゆとりをもたせたケアを計画、調整できるといいですね。