終末期の患者さんに援助を拒否されます。どうしよう?
本人が求めることしか受け入れない
清拭や散歩にさそってみても、「今日は寒いから」「今日はだるいから」「今日は眠い」と援助を拒否されるとどうしたらいいのかわからない</色>とよく質問をされることがあります。
終末期の場合、計画通りに援助ができないことはよくあることです。日々、患者さんの状況・状態は変化します。
決してあなたが嫌われているわけではないので、落ち込まないくてもいいんです。
援助をしないと実習をしていないことになると考えるのは間違いです。患者さんの状況によって何もしなくていいからただそばにいて欲しいと思う人や、一人にして欲しいと思う人もいるかもしれません。また、状況によっては、思い切って強引に行う方がうまくいくこともあります。”気持ちいい”という体験をしてもらうことが、援助のきっかけになるのです。お薦めの援助は、臥床したままでもできる手浴と足浴です。
援助を断られたとしても、その理由が言葉どおりのものではないこともあるかもしれません、何か他に解決することによって、よい援助を行えることがあります。
今、患者さんにとって何が大切なのかを感じ取れる距離で常にいられるようにしてみてください。
眠気が強いから訪室しないという選択はNGです。
では、いつ目が覚めて、活動できるようになるのかわかっていますか?
あくまでもいつもの生活を知ることがまず一歩です。
眠気はいつごろ取れるのか、痛みなど不快な症状はいつ楽になるのか、食事のタイミングはいつなのか。
こういった情報をしっかりとアセスメントすることが大切です。
その方のいつもの生活をよりよくする、そのベースを知ることが基本です。
何かしないといけない。
援助として形にしないといけないと考え焦ってしまう気持ちもわかります。
終末期では形に見える援助以外の援助にもしっかりと意味をもって取り組んでみてください。
終末期におけるこころへの援助ははっきりと見えないものであり、今までの実習では意味付をしてないものが多くあります。患者さんとのコミュニケーションが何を意味しているのか、今一度深く考える機会</色>にしてもらえたら嬉しいです。
人生の終末においては、自己の人生を肯定的に受け止めて欲しいと、自己の人生が有意義であったと感じて欲しいと願っています。大切な存在であり、多くの人の支えになっていることを伝えていきたいです。
終末期での精神的な関わりについてのおすすめ本
回想法というスキルをイメージするだけでも、患者さんの語りに対する自分の反応は圧倒的によくなります。そして、コミュニケーションにおいて何を大切にしていけばいいのかがわかりますので、どうやって関わっていったらいいのかがわからない方は一度手にとってみてください。
何かヒントが見つかると思いますよ。