感染対策の基本 覚えておきたい3つのキーワード





感染対策において、まず知っておきたいのは「スタンダードプレコーション」「感染経路別対策」

マスターすべきなのは「手洗い」の手技です。
ここでは、その3点についてまとめています。

スタンダードプレコーションとは

⚫「スタンダードプレコーション(標準予防策)」はすべての患者さんに対して、標準的に行われる感染対策です。

⚫スタンダードプレコーションは、血液、体液・分泌物、粘膜、傷のある皮膚を「感染症を発生させる危険性があるもの」捉え、対策を講じるものです。

⚫これらと接触する危険性がある場合は、手袋、ガウン、マスクなどの感染防御用具の装着や、手洗いを基本とした対策を行います。

⚫スタンダードプレコーションは、以下の3項目を、基本原則として実施するように記しています。
①適切な手洗い
②血液および体液への接触の予防
③針刺事故の防止

感染経路別対策とは?

⚫「感染経路別対策」は、特定の感染原因微生物の検出が疑われた場合にのみ”標準予防策に加えて”適用される対策になります。

⚫「伝播性のツヨい病原体が感染・定着している患者」を対象とし、「感染経路の遮断」を目的としています。

感染経路別対策

接触感染

定義
皮膚同士の直接接触、汚染された環境表面などとの間接接触によって伝播する感染

対策
⚫患者さんは個室収容。できない場合は、同じ感染症患者と集団で収容する
⚫患者さんと蜜に接触するときは、必ずガウン・手袋を着用する。

飛沫感染

定義
咳、くしゃみ、会話のときなどに飛び散る分泌物に含まれた微生物が引き起こす感染

対策
⚫患者さんは個室収容。できない場合は、他の患者さんとのベッド間隔を1m以上とる。
⚫患者さんの1m以内に近づくときは、サージカルマスクを着用する

空気感染

定義
空気に浮遊した、飛沫核を吸入することによって起こる感染

対策
⚫患者さんのはいる部屋は陰圧を維持し、1時間に6回以上の換気を行う。
⚫患者さんの部屋に入るときは、ろ過マスク(N95微粒子マスクなど)を着用する。

最も大切な感染対策=手洗いの方法

⚫スタンダードプレコーションは、感染対策の基本を「手洗い」としている。
⚫以下の場面において、手洗いを実施するよう勧告している。
①体液や生体物質と触れたあと
②患者ケアの前後
③手袋を外したあと
⚫石鹸と流水による手洗いが原則ですが、消毒薬を用いた手指消毒法が推奨される場面もある。
⚫手洗いは必要とされる場面や目的によって、日常的手洗い、衛生的手洗い、手術時手洗いの3つに分類される。
⚫看護行為の前後に行う衛生的手洗いには、主にスクラブ法、ラビング法がある。
スクラブ法:石鹸または洗浄剤が入った消毒薬をよく泡立て、もみ洗いをし(通常は20秒以上)、流水で洗い流す。

ラビング法:擦式消毒用アルコール製剤を3ml程度手掌にとり、手指に均一に乾燥するまで擦り込む。(20~30秒)

手洗いの種類と目的

日常的手洗い

必要な場面
感染リスクの少ない患者を看護・介護する前後

目的
一過性菌を洗い流す

方法
石鹸と流水で手洗いを行う

衛生的手洗い

必要な場面
感染リスクを伴う感染症患者や、易感染者をケアする時

目的
一過性菌の殺菌と除菌

方法
消毒薬を用いて、スクラブ法、ラビング法を行う

手術時手洗い

必要な場面
手術の前、観血的検査の前など

目的
一過性菌の殺菌・除菌、常在菌の除菌

方法
消毒薬を使って、殺菌スポンジや滅菌ブラシによるスクラブ法を行う

 

ちなみに消毒メーカーのさらやが作った消毒100%ダンスが面白いので掲載しておきます。
採血したあとに検体入れるスピッツそれっていう衝撃もあります(笑)
じわじわ来ます(笑)

P.175~「感染症対策の標準化とチームでの対応(2)Standard Precaution の重要性」

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