養護教諭になるために看護師になる必要はありますか?
養護教諭になるためには、教育職員免許法に定める「養護教諭免許状」を有していなければなりません。養護教諭の普通免許状はおもに「1種免許」「2種免許」に類別されます。4年制大学(教員養成系大学の養護教諭養成課程、指定の看護大学など)で所定の養護と教職の単位を取得すると、1種免許が得られ、短期大学(指定の看護短期大学や一般短期大学の養護教諭養成課程)で所定の養護と教職の単位を取得すると、2種免許が得られます。
また、保健師免許を有し、かつ教育職員免許法施行規則第66条の6に定める単位を修得すれば「2種免許」が取得でき、保健師学校(1年課程)の一部の学校では「1種免許」が取得できます。ほかに、看護師が養護教論「1種免許」を得るための「養護教諭特別別科」コースを設置している国立大学もあります。
大きく大別すると看護系と教育心理系に分けられ、どちらの課程がより自分に合っているかを考える必要があります。メリットやデメリットはどちらにもあると思いますので、いろいろ知った上で選択していきたいですね!
目次
養護教諭と看護師ではどちらが就職しやすい?
これは、病院やクリニックが増えている状況から考えると、やはり看護師のほうが有利です。養護教諭は1校に1人、もしくは2人しか配置されないため、子どもの数が縮小する傾向に従い、養護教諭の採用も厳しくなってきています。
養護教諭の採用試験については、小学校採用4.5倍、中学校採用7.8倍、高等学校7.7倍となっており、教員採用試験の中では難易度は高めになっています。採用数がとても少ないため、自治体毎に採用試験をクリアするのは難しいと言えます。それに比べて看護師の新卒の求人倍率は病院によって異なりますが、2倍程度だと考えられます。病院によっては、特別な条件がなれければ就職できると思いますし、現在は看護師の人手不足からどこの県内でも需要は高まっています。
以上から、養護教諭は就職が難しい職業ではありますので、もし養護教諭で採用がされない場合、看護師として仕事をしていけると言う点では、看護師を取得して養護教諭になるのも悪くありませんね。これは、1つのライフプランでしょうね。
体のメカニズムを知りケアできる力=看護
養護教諭には保健指導と応急処置という2つの役割が大きく分けてありますが、保健指導に対して教育が充実しているのが教育心理系で、応急処置に対して教育が充実しているのが看護系です。
実際に教員採用試験を受けに行くと、どっちの系統なのかはすぐに分かります。血圧を測定したり、健康アセスメントをするのが苦手な人は教育心理系には多いと感じましたし、逆に多人数に対する教育方法は教育心理系の方が長けていると感じました。やはり教育課程が違うので、その辺の違いは仕方ないところなのかもしれません。
これは私の考え方ですが、看護師を取得するのをおすすめしています。
なぜなら、養護教諭という職務上、病気をアセスメントして病院に搬送する必要があるかどうかを判断しなければならず、その緊急性や重症度の判断が誤れば、重大な過失になる恐れがあるからです。いかにして児童生徒・職員の健康や生命を守るかを考えた時、その知識がなければ仕事を継続することに不安を抱えると思います。この判断は、学校に一人しかいないことがほとんどなので精度も求められます。そう考えれば、人の体を知っておくことは必須のようにも感じます。
養護教諭は命も扱う仕事なので、重責ですね!
看護課程は結構大変・・・
ただし、看護師になりたいと思っていない場合、看護学部は結構大変な道のりかもしれません。看護系の大学はどこも課題やレポートがかなり多く、また実習期間も教育学部の1か月と比べると10か月程度と長いです。看護課程を通る方が私はメリットが多いと思いますが、看護師を取得するという道のりは決して楽ではないのでこの点についてはデメリットになるかと感じています。覚悟をもって臨むことをおすすめします!
養護教諭で男性の需要はあるのか?
養護教諭は男性でももちろんなれます。これに関してはかなり数は少ないですが、全国に4万人ほど養護教諭がいる中で、男性は65人しかいません。女子への対応に課題が多いとの印象から、配置になかなか積極的になれていないというのが現状のようです。しかし、男性特有の悩みに対応できる強みもあるし、今後LGBTの悩みをもつ子どもに対しても、生徒自身が相談先を選べる環境を作ってあげることが大切だと思っています。たしかに、今のところ男性を積極的に採用とまではいってませんが、十分男性が養護教諭をすることの意味はありますよ。
参考サイト
◆男性の養護教諭、わずか65人 全国4万人のうち
まとめ
結局養護教諭になるには看護師の資格が必要かについてですが、看護師の資格を持っていたほうが心身の見方は強くなると思います。教育心理の強みは、児童心理や発達心理、集団教育といった点が利点だと思うので、自分が児童生徒、また職員の健康管理にどう関わりたいかを明確にしていくとどちらがいいか考えつくと思います。結局のところどちらでも同じ免許状といっているのですから、課程上は大きな差はないと思ってもらえればよいと思います。
養護教諭教員免許状の取得ができる学校について
養護教諭教員免許状の取得ができる大学等については、各大学もしくは、文部科学省の教員免許状を取得可能な大学等を参照にしてみてください。