ドローンで楽しむなら知っておきたいバッテリーと充電のこと
ドローンを飛ばすためには必ずバッテリーが必要になります。
ただ、バッテリーといってもドローンの機体によっては1S Lipo(リポ)とか、350mAhとか、3.7Vとか30Cとかいろいろ出てきます。結局どれが使っていいものなのかわからなくなってしまうのが初心者あるあるです。
性能の違うバッテリーを使えば、FC(フライトコンピューター)が焼けてしまうかもしれないですし、モーターのパワーが発揮できないこともあります。
そんな奥深いドローンのバッテリー事情についてわかりやすくまとめていきたいと思います。
バッテリーに表示されるセルって何?
バッテリーは単三型とか単四型といったような1本の形をしたものがありますが、これを1セル(cell/セル)と言います。それを何本か直列あるいは並列に重ねてバッテリーとして使用することがあります。直列に重ねたバッテリーの場合は必要な電圧を確保する目的であり、並列に接続する場合は必要とする電流容量値を確保するためがほとんどです。
ドローンやラジコンの場合、バッテリーのパックはそのほとんどが直列に接続されています。たとえば、リポ3セルといった場合、リポ1セルの公称電圧が3.7Vであるので3セルで11.1Vとなります。これは、12V前後の電圧が必要な場合に3セルバッテリーを使用する、ということになります。このセル数の設定も、充電器にとっては充電電圧が異なるため、必要なものとなります。ちなみに、ドローンの場合、モーターが電圧に比例して回転数を上げるので、1Sより2S、2Sより3Sと速度のコントロールが過激になります。ものすごい推進力が増えるので最初は1Sぐらいで初めて徐々に上げていくというのもいいと思います。もちろん機体ごとに対応するセル数がありますので、対応するセル数の中で調整する必要があります。
ちなみに、最近のレースでは6Sまで使用がOKになりました。でも、コースやマシンの特性上4Sで出場するという人も多かったそうです。バッテリーが大きくなれば、それだけ重くなるので飛行特性は変わってきますね!ただ、プロペラが早く回ればいいというわけではありませんね。奥深しドローンの世界!
バランス充電について
最近のマルチタイプ充電器には必ずと言ってもいいほど「バランス充電」という充電モードがあります。これは2セル以上のバッテリーを充電する時には活用したい充電方法です。ただし、この充電モードを使用することができるのは、バッテリーにバランス充電コネクターが付いていることが条件となります。
この充電モードは各セルの充電電圧をほぼ均等に充電してくれます。これにより、そのバッテリーの持つスペックをフルに引き出すことができるようになるので、2セル以上のバッテリーではこのモードで充電することを習慣としましょう。
ACとDCについて
意外と知らないのが、この「AC」と「DC」という言葉の意味です。ACとは「alternating current」の略であり、交流と言われるものであり、代表的なのは家庭のコンセントから出ている電流のことで、時間とともに極性が変化する電流です。この理由から、すごく細かく極性が入れ替わっていて、高速にちかちかしています。50Hzとか60Hzとか聞いたことがあると思いますが、日本国内でも二パターンあり、昔は50Hzのテープレコーダーを60Hzの電力で聞くと早回しみたいに聞こえたという話もあります。
これに対してDCとは、「direct current」の略であり、直流と言われるものです。代表的なのが電池で、時間が経過しても極性が変化しない電流のことを指します。
充電で起こる事故とは?
充電とはエネルギー交換のことです。ですので、当然熱が発生します。この熱が許容範囲である時はいいのですが、時に異常な高温となることがあります。こうなると充電事故が起こる可能性があります。異常な高温になる原因はいろいろ考えられるのですが、最も多いのが充電器の充電設定ミスです。バッテリータイプの選択を間違えたり、セル数を間違えたり、充電電流値の設定を間違えていたりすると、事故が発生する可能性が高くなります。
充電事故はバッテリーが破裂したり発火したりして大変危険な状態となります。ケガをしたり、火災を起こしたりすることがありますので、充電は大変危険なことをしているのだという自覚を持つ必要があります。充電中は充電器とバッテリーから目を離さず、何かあればすぐに充電をストップできるようにしましょう。特に充電をしたまま外出したりするのは非常に危険です。ひたすら監視しておく必要はありませんが、充電しているバッテリーの横を離れないようにすることが大切です。